日本気象協会、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)
第3期課題「スマート防災ネットワークの構築」に参画
~ダムなど多様な貯留施設での「長時間アンサンブル降雨予測」の活用方法を研究開発~
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一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:渡邊 一洋、以下「日本気象協会」)は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が推進する、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期課題「スマート防災ネットワークの構築」に研究開発機関として参画し、最長で令和9年度まで研究開発を進めることをお知らせします。
SIP「スマート防災ネットワークの構築」では、現実空間とサイバー空間(仮想空間)を高度に融合させ、先端ICT、AI等を活用した「災害対応を支える情報収集・把握のさらなる高度化」と「情報分析結果に基づいた個人・自治体・企業による災害への対応力の強化」に取り組みます。
SIP第3期課題について
「スマート防災ネットワークの構築」は、以下の5つのサブ課題で構成されています。日本気象協会は、サブ課題Dに参画します。
サブ課題A 災害情報の広域かつ瞬時把握・共有
サブ課題B リスク情報による防災行動の促進
サブ課題C 災害実動機関における組織横断の情報共有・活用
サブ課題D 流域内の貯留機能を最大限活用した被害軽減の実現
サブ課題E 防災デジタルツインの構築
D 流域内の貯留機能を最大限活用した被害軽減の実現について
研究開発責任者:角 哲也 国立大学法人京都大学 防災研究所 教授
社会実装責任者:小平 卓 一般財団法人水源地環境センター 理事
<研究開発テーマ>
D-1: 流域内の貯留・洪水調節機能と氾濫リスクの評価
D-2: 既存インフラの貯留効果を最大限発揮することを可能とするシステムの開発
D-3: 水門・排水機場の緊急時操作遠隔化・自動化技術の開発
<研究開発機関>
国立大学法人京都大学 防災研究所
一般財団法人水源地環境センター 研究第三部
一般財団法人国土技術研究センター 河川政策グループ
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究部門 水利工学研究領域 流域管理グループ
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究部門 水利工学研究領域 水利制御グループ
一般財団法人日本気象協会 社会・防災事業部
国立研究開発法人土木研究所 技術推進本部 先端技術チーム
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究部門 水利工学研究領域
国立大学法人筑波大学 システム情報系
株式会社IHI
日本気象協会が実施する内容
日本気象協会では、SIP第2期においてヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)のアンサンブル予報を国内のダム流域で活用するため、統計的補正やAI技術による時空間高解像度化を行いました。全国各地のダム流域で検証を行い、「長時間アンサンブル降雨予測(※)」をダムの事前放流や後期放流に活用するための手法を検討し、「長時間アンサンブル降雨予測」が治水・利水リスクへの対応に有効であることを示しました。
本研究開発では、多様な貯留施設(ダム・ため池・田んぼダム・遊水地など)を含む流域において、洪水調節機能や利水機能を最大限発揮することを目的に、「長時間アンサンブル降雨予測」の効率的な活用方法を検討します。激甚化する水災害の被害低減やダム運用高度化による水力発電の増電等に貢献することを目指します。
※長時間アンサンブル降雨予測:15日先までの51通りの予測。予測が51通りあることで貯水量が回復しないリスク・洪水リスクを考慮した計画管理が可能。
以 上
PDFダウンロード:【日本気象協からのお知らせ】SIP第3期課題に参画_