2024年桜開花満開予想(第6回) 平年より遅めの開花ラッシュへ 東京は29日開花か
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:渡邊 一洋、以下「日本気象協会」)は、全国にある観測地点での桜の開花・満開予想(第6回)を、2024年3月27日(水)に発表します。
開花予想前線図
開花・満開予想日(主な地点)
開花・満開の傾向
開花を目前にして、春への移ろいは足踏みしています。3月以降、気温は全国的に平年より低くなる日が多く、16日~17日ごろには一時的に20℃を上回る春の陽気になったところもありましたが、その後は冬の寒さを感じさせるような日や雨天が続き、予想より桜の花芽の生長が鈍くなっているものとみられます。
このため、西日本・東日本の各地では、開花が昨年より大幅に遅れるところが多く、平年と比べても3日以上遅くなる地点も出てきています。
ただ、今週末30日~31日ごろにかけては、ところによっては最高気温が25℃に迫るような、初夏の陽気も予想されています。開花が遅れていた西日本・東日本の各地も、このタイミングまでに開花となるところが多いでしょう。
なお4月以降、北日本では気温は平年より高く推移する見込みです。そのため桜の花芽は順調に生長し、開花・満開ともに、北日本では平年より早いところが多いでしょう。
今年の桜の開花は、3月12日に高知県の宿毛市から始まり※1、気象台の標本木では、23日に高知市で開花しました。27日12時現在までに福岡市や熊本市など、計11都市から開花の便りが届いています。
4月に入ると、桜開花前線はさらに北上し、4月2日には仙台で、12日には秋田で、18日には青森で開花する見込みです。4月下旬には北海道へ到達し、札幌では26日に開花するでしょう。
また、桜の満開は、3月29日の都城市※1からスタートする予想ですが、3月末までに満開となるのは開花の早い一部の地域に限られるでしょう。4月に入ると各地で満開を迎え4月上旬は九州から東北南部にかけての広い範囲で満開ラッシュとなるでしょう。
【※1】宿毛、都城は気象台の標本木ではなく、自治体・公園などの協力機関から観測データを得ている日本気象協会の独自地点です。
桜の花芽の様子
全83地点※2の桜の開花・満開予想日は、日本気象協会が運営する天気予報専門メディア『tenki.jp(てんきじぇーぴー)』桜の開花・満開予想ページ(https://tenki.jp/sakura/expectation/)にて公開しています。
【※2】 3月以降は全国で83地点の予想を発表します。予想地点は、各地気象台が観測する標本木53地点と自治体・公園などの協力機関から観測データを得られる30地点となります。また、満開に関しては全国で76地点の予想を発表します。
【言葉の説明】
平年:1991~2020年の平均値
かなり早い :平年よりも7日以上早い
早い :平年よりも3日から6日早い
平年並 :平年との差が2日以内
遅い :平年よりも3日から6日遅い
かなり遅い :平年よりも7日以上遅い
参考資料
桜開花予想に関するよくあるご質問
Q1:桜開花予想の発表のスケジュールは?
A1:以下の日程を予定しています。1月、2月中は開花予想日のみを発表し、3月以降は開花予想日と満開予想日を発表します。
第 1回 1月31日(水) | 第 2回 2月28日(水) | 第 3回 3月6日(水) | 第 4回 3月13日(水) |
第 5回 3月19日(火) | 第 6回 3月27日(水) | 第 7回 4月3日(水) | 第 8回 4月10日(水) |
第 9回 4月17日(水) | 第10回4月24日(水) |
Q2:開花日・満開日の基準は?
A2:気象庁の観測基準と同じです。開花日は標本木で5~6輪以上の花が咲いた状態となった最初の日、満開日は標本木で80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日です。
Q3:予想する地点数は?
A3:1月、2月中は49地点、3月以降は全国で83地点の予想を発表します。予想地点は、各地気象台が観測する標本木53地点と自治体・公園などの協力機関から観測データを得られる30地点となります。また、満開に関しては全国で76地点の予想を発表します。
Q4:日本気象協会の桜開花予想の手法・特徴は?
A4:花芽の生育過程に大きな影響を与える「秋以降の気温経過」に重点を置いた、独自の予測式を用いて開花予想を行っています。各地気象台の標本木や公園などの協力機関による正確な観測データを重視した、気象学的根拠に基づいた予想を出しているのが特徴です。
日本気象協会は2007年から桜の開花予想を実施しており、今年で18年目の取り組みです。
Q5:開花予想に使うデータは?
A5:以下データを使用しています。
① 前年秋から予想作業日前までの気温観測値
② 予想作業日から開花時期までの気温予測値(日本気象協会ポイント予報および長期予報)
桜の開花時期には、前年の秋から春にかけての気温が大きく影響します。桜の花芽は前年の夏に形成され、その後、休眠に入ります。冬になって一定期間の低温にさらされると、花芽は休眠から覚めます(休眠打破)。休眠から覚めた後は、気温の上昇とともに生長し開花しますが、気温が高いほど花芽の生長が早く進み、開花が早まると考えられています。
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】 2024年桜開花予想(第6回)_