日本気象協会、送配電システムズ合同会社から次期中央給電指令所システム「風力発電出力予測機能」の開発ベンダに選定
Press Release
一般財団法人 日本気象協会 (本社 : 東京都豊島区、理事長 : 渡邊 一洋、以下「日本気象協会」)は、このたび、送配電システムズ合同会社から、次期中央給電指令所システム(以下「次期中給システム」)の一部を担う電力需要・再エネ予測システムのうち、「風力発電出力予測機能」の開発ベンダに選定されました。
日本気象協会は、これまでに培った高精度な風力発電出力予測技術を活用し、「風力発電出力予測機能」の開発を通じて、電力の安定供給とカーボンニュートラルの実現に貢献します。
■次期中給システムの概要
次期中給システムは、各エリアの一般送配電事業者*1(沖縄エリアを除く)がそれぞれ開発・運用してきた中央給電指令所システムを共有化するという、これまでに前例のないシステムです。システム開発は送配電システムズ合同会社が進めています。
次期中給システムは全国規模でのメリットオーダー*2の最適化をさらに推進し、レジリエンスの確保とコスト低減の両立、透明性の高いプラットフォームの構築、将来の制度変更にも対応可能な拡張性・柔軟性の確保などを実現するものです。日本の電力インフラの基盤を強化し、持続可能で安定的なエネルギー供給を実現するための重要な役割を果たします。
■「風力発電出力予測機能」の概要
今回、日本気象協会が開発ベンダとして選定された「風力発電出力予測機能」は、次期中給システムにおける「電力需要・再エネ予測システム」のひとつであり、気象予測や風力発電所の諸元、過去実績などに基づき各エリアの風力発電出力を予測する機能です。
近年、再エネの導入拡大により、電力系統全体に対する再エネ発電量の割合が増加し、急激な出力変動に備えた調整力の確保や、電力系統の周波数変動による電力の品質低下などの課題が生じています。これらの課題を解決し、社会全体で再エネの調整にかかるコストを低減させるため、風力発電出力予測精度のさらなる向上が求められています。日本気象協会は、精度の高い風力発電出力予測技術を提供することで、電力の安定供給と社会コストの低減に貢献します。
一般財団法人 日本気象協会 執行役員 最高執行責任者(COO) 小玉 亮のコメント
![]() | このたび、風力発電出力予測機能の開発という社会的にも重要な領域で日本気象協会の技術が選ばれたことを大変光栄に思います。再生可能エネルギーの主力電源化が進む中、電力の安定供給を支える予測精度の向上は不可欠です。日本気象協会は、これまで蓄積してきた気象に関する技術と再生可能エネルギー分野の知見を基に、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを継続してまいります。 |
一般財団法人 日本気象協会 執行役員 環境・エネルギー本部長 佐々木 寛介のコメント
![]() | 日本気象協会の風力発電出力予測技術が、次期中給システムという電力インフラの根幹を担うシステムに採用されたことは、これまでの予測精度向上等の取り組みに対して高い評価を頂いたものと受け止めています。再生可能エネルギーの導入拡大が進む今、風力発電出力予測は電力システムにとってますます重要になります。この開発を通じて、将来の電力需給に柔軟に対応できる基盤構築に貢献するとともに、社会の脱炭素化とエネルギーの安定供給の両立を見据えた取り組みを今後も着実に進めてまいります。 |
関連情報(送配電システムズ合同会社のお知らせ)
https://souhai-sys.co.jp/information/20250724/index.html
*1 日本の電気事業法に基づき、発電所で発電した電力を送電線・配電線などの送配電網を通じて、電力を使用する需要家のもとへ供給する事業者。北海道電力ネットワーク株式会社、東北電力ネットワーク株式会社、東京電力パワーグリッド株式会社、中部電力パワーグリッド株式会社、北陸電力送配電株式会社、関西電力送配電株式会社、中国電力ネットワーク株式会社、四国電力送配電株式会社、九州電力送配電株式会社、沖縄電力株式会社の10社を指す。
*2 さまざまな種類の発電所を発電コストの低い経済的なものから順番に利用し、電源全体の運転コストを最小化する考え方。
以 上