2021年シーズン スギ/ヒノキ花粉の飛散量速報 ~3月末までの飛散状況・飛散終了時期の見通し~
Press Release
1. 2021年シーズンの花粉飛散状況まとめ(例年比)
【お詫び】報道発表時の一部数字情報に誤りがあり、数字の訂正を行い再発行いたしました。
2021年シーズン(3月末まで)の東京と大阪の飛散状況を例年(過去10年)と比較してみると、東京では43%、大阪では115%となっています。


2. 2021年シーズンのこれまでの振り返り(前年比)
- 飛散開始日
【東京】 スギ:2月13日(昨年2月8日) ヒノキ:3月6日(昨年3月16日)
【大阪】 スギ:2月12日(昨年と同じ) ヒノキ:3月16日(昨年3月18日) - スギ花粉の飛散ピーク期間
【東京】 31日間(2月15日~3月17日)※昨年は7日間、ピーク開始は昨年より2日早い
【大阪】 14日間(2月19日~3月4日) ※昨年は4日間、ピーク開始は昨年より2日早い - スギ花粉とヒノキ花粉の総飛散量(3月末まで)
【東京】 3506.1個(昨年の同時期と比較すると140%)
【大阪】 2703.4個(昨年の同時期と比較すると262%) - 2021シーズンの花粉飛散状況について(総評)
2019年の夏と同様、2020年の夏は多くのところで高温多雨となったため、花芽の生育にはあまり適さない夏となりました。しかし冬は、特に前半に強い寒気の影響を断続的に受けて寒くなったため、花芽はしっかりと休眠ができたと考えられます。そして、2月になると暖かい日が増え、全国的に飛散開始およびピーク開始が早くなったと考えられます。さらに、気温が高く、晴れて風の強い日が多かったため飛散量も増え、3月末時点で、東京では2020年の1.4倍、大阪では約2.6倍の飛散量が計測されています。
2021年シーズンのスギ/ヒノキ花粉飛散状況




3. 飛散終了時期の見通し
2021年シーズンのスギ花粉飛散終了時期の見通しは、東京では例年5月上旬まで飛散が確認されていますが、今年は4月中旬に終了となるでしょう。大阪では、今年は3月末にはほぼ飛散終了となっています。ヒノキ花粉は、東京では4月いっぱいは断続的に飛散する見通しとなりますが、大阪では4月中旬にはほぼ終了となるでしょう。
その他の東・西日本各地でも、飛散開始後は気温が高く経過しているため、4月末までにはスギ、ヒノキとも飛散が終了する見込みです。4月下旬頃からシラカバ花粉が飛散開始となる北海道では、5月半ばまで飛散が続くでしょう。

4. 日本気象協会の花粉観測方法
日本気象協会では「ダーラム法」という観測方法で、スギ花粉・ヒノキ花粉を見分けながらそれぞれの個数をカウントしています。
① 風通しが良く、雨に濡れない屋外に設置した機器にワセリンを塗ったスライドガラスを24時間、据え置く。
※この手順によって、飛散している花粉がスライドガラスに付着します。 (日本気象協会の観測地点の一部ではスライドガラスが24時間ごとに自動的に次のスライドガラスに切り替わる専用装置を独自で開発し、1週間分を観測しています) ② 24時間、屋外で観測した①のスライドガラスを回収。染色液をかけ、カバーガラスをかぶせる。
③ 顕微鏡を通して測定開始。カバーガラスの中に花粉がいくつあるか、カウンターを使って「目視で」数える。
日本気象協会では2019年シーズンよりモニターを導入しました。顕微鏡と接続することで、花粉の画像をモニターに映し出し、操作しながらモニターに表示された花粉をカウンターで数える。
④ ③で計測されたカバーガラスの中の花粉の数を、1 cm2あたりの数に換算し花粉量を出す。そして、換算した1cm2あたりの花粉量を1日の花粉数として記録。

用語の説明
飛散開始日 : 1 cm2あたり1個以上の花粉を2日連続して観測した場合の最初の日
ピーク開始(終了)日 :【スギ花粉】 2日以上連続で50.0個/cm2花粉が観測された最初(最後)の日 :【ヒノキ花粉】2日以上連続で30.0個/ cm2花粉が観測された最初(最後)の日
飛散終了日 :1 cm2あたりの飛散数0個が3日以上連続した場合の最初の日の前日
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少ない :1 cm2あたり10個未満
やや多い :1 cm2あたり10~30個
多い :1 cm2あたり30~50個
非常に多い :1 cm2あたり50個以上
以上
PDFダウンロード:【訂正_再発行】2021東京・大阪の花粉振返り(速報)_