気象データと人流データを活用して天候による観光動態変化の分析を実施
Press Release
株式会社ナイトレイ(代表取締役 石川 豊、以下 ナイトレイ)、一般財団法人日本気象協会(理事長 長田 太、以下 日本気象協会)、および一般社団法人関西イノベーションセンター(代表理事 林 安秀、以下 関西イノベーションセンター)は、気象データと人流データを活用して天候による観光動態変化の分析を行うことを目的に、モデルケースとして京都府の観光動態を対象とした、天候による変化に関する分析(以下、本分析)を行いました。
本分析では、日本気象協会の持つ気象データとナイトレイが解析している位置情報ビッグデータをかけ合わせることで、モデルケースとなった京都府内において天候ごとに観光客が多く訪れるエリアや、雨の日に人気となる観光コンテンツを明らかにしています。この分析結果は京都府内だけではなく今後、各地の観光施策策定に活かすことができます。
目的
- この取り組みは、関西イノベーションセンターが運営する観光産業をテーマとしたイノベーション創出拠点「MUIC Kansai」の活動として、ナイトレイ、日本気象協会と協働して実施いたしました。
- 観光において重要な要素である天候にフォーカスし、観光動態分析に活用する人流データと気象データをかけ合わせることによって、気象変動を考慮した観光施策策定等に貢献する分析となることを目的としています。
- また、人流データと気象データという異なるデータをかけ合わせることで、従来の観光動向分析では捉えることが難しかった観光客の動向を明らかにし、観光動向分析にとっても新たな価値を生み出すことも目的としています。
分析の結果
- 天候別に京都府内のエリアごとの観光客数を分析すると、全体的に雨の日には観光客が減少する傾向がありましたが、その中でも福知山市や京都市西京区など、比較的減少しなかったエリアもありました。
- 雨の日でも観光客が比較的減少しなかったエリアの特徴を細かく見ていくと、天候による京都府の観光動態の特徴として、以下2点が判明しました。
1. 京都の天候別の観光の傾向を変化させる要素として「交通手段」の影響が大きい
雨の日に観光客が比較的減少しないエリアと京都府の鉄道路線図を照らし合わせてみると、電車で移動できるエリアは比較的天候の影響を受けにくい傾向にある一方で、雨の日の京都府内の幹線道路の通行量の減少は大きく、晴れの日と比べて約75%減少していることが分かりました。
(分析アウトプット例)

2. 雨の日に写真映えする観光スポットのあるエリアは雨の日でも観光客が訪れる
苔寺や紫陽花、森といった観光スポットのあるエリアは観光客の減少が少なく、SNS投稿内容を見ても、「雨に映える」というようなコメントがあり。そういった観光スポットは雨による観光の傾向変化への影響は少ないことが分かりました。
(分析アウトプット例)

上記のような分析結果をもとに、京都府における今後の観光施策策定に関する助言までをレポート内で行いました。
今後の展開
- 今回の実施内容をもとに、大企業、スタートアップをはじめとする様々な企業や自治体などとの更なる協働を模索し、課題解決に繋がる新たなビジネス創出を目指します。
- また、今回は京都府をモデルケースとして分析を行いましたが、気象データと人流データの掛け合わせによる観光動態変化の分析を他のエリアでも行うことで、様々な地域の観光施策の立案に貢献していくことを目指してまいります。
<ご参考:各社概要>
【ナイトレイについて】
会社名:株式会社ナイトレイ
代表者:代表取締役 石川 豊
所在地:東京都渋谷区南平台町15-11 南平台野坂ビル4F
設立:2011年1月
URL:https://nightley.jp
【日本気象協会について】
会社名:一般財団法人日本気象協会
代表者:理事長 長田 太
所在地:東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 55階
設立:1950年5月
URL:https://www.jwa.or.jp/
【一般社団法人関西イノベーションセンターについて】
会社名:一般社団法人関西イノベーションセンター
代表者:代表理事 林 安秀
所在地:大阪府大阪市中央区伏見町3丁目6番3号
設立:2020年3月
URL:https://www.muic-kansai.jp/
PDFダウンロード:【連名発表】天候による観光動態変化の分析_