日本気象協会、NEDO公募「洋上風力発電の地域一体的開発に向けた調査研究事業」 2つの調査研究項目に採択される
Press Release
一般財団法人日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」)が公募した「洋上風力発電の地域一体的開発に向けた調査研究事業」(以下、本事業)のうち、2つの調査研究項目に採択されました。
【採択された調査研究項目】
(1)調査研究項目(A) 風況等の実海域調査および環境影響評価等に必要な実海域調査(以下、「調査A」)
(2)調査研究項目(B) 地域と一体となった海域の開拓に向けた方向性等の調査(以下、「調査B」)
【調査の概要】
再生可能エネルギーの主力電源化の柱である「洋上風力発電」の導入を推進するNEDOの本事業で、日本気象協会は、「調査A」(1海域の実海域調査)と「調査B」(3海域調査の一元的な取りまとめ)を実施します。なお「調査A」は応用地質株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:成田 賢)と共同実施します。また「調査B」は日本気象協会が単独で実施します。
2050年カーボンニュートラルの実現に向けた今回の調査で、日本気象協会は、実海域調査と本事業の全体的な取りまとめを担います。また、海外で先行する「セントラル方式」(注)について、我が国への適用性等について調査・整理することで、洋上風力発電導入推進のためNEDO、関係省庁、有識者と連携し、地域と一体となった海域の開拓・開発を目指します。
注)セントラル方式とは:洋上風力について、政府等が導入計画を明確化し、環境アセスメントや系統接続等の立地調整を主導することで事業者のリスクを軽減する仕組み

【調査内容】
調査研究項目(A)風況等の実海域調査および環境影響評価等に必要な実海域調査
調査Aは3つの未開発海域を対象とし下記の調査を実施し、調査結果を当該海域への洋上風力発電設備が導入される際に活用できる形に整理します。
①風況等の実海域調査
②環境影響評価等に必要な実海域調査
③漁業実態調査
④洋上風力発電設備の導入ポテンシャルの試算
対象となる未開発海域は、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」(再エネ海域利用法)」における促進区域や有望区域等に当たらない海域であって、洋上風力発電設備の導入ポテンシャルが見込まれる未開発の海域です。未開発海域3海域のうち1海域を日本気象協会と応用地質が共同で調査を実施します。
この調査により、当該海域における洋上風力発電の地域一体的開発の促進に寄与します。

調査研究項目(B)地域と一体となった海域の開拓に向けた方向性等の調査
調査Bは日本気象協会の実施する海域を含めた3海域の調査について、基本的な調査仕様を整理し、実海域調査の結果を一元的に取りまとめます。さらに、欧州で実施される「洋上風力に係るセントラル方式」の先行事例を調査し、我が国への適用性を検討します。これらの調査結果を取りまとめ、「地域と一体となった海域の開拓に向けた方向性等」を検討します。
①海域調査(調査A)にける調査課題・仕様の整理
②海域調査における調査結果の整理と調査手法の検討
③セントラル方式に関する調査
④検討委員会の設置・運営
⑤取りまとめと報告書の作成
【調査期間】
2021年5月27日~2022年3月(予定)
事業採択に関する詳細:https://www.nedo.go.jp/koubo/FF3_100308.html
日本気象協会は、さまざまな側面から洋上風力発電の導入に貢献してきました。風況マスト、上空風の鉛直分布観測用のドップラーライダー、洋上風をターゲットとしたスキャニングドップラーライダー等、種々の機器による風況観測を多数実施しており、正確確実なデータ取得のノウハウに精通しています。また、世界初の低動揺フローティングライダーであるBuoyLidarを開発し、洋上風況シミュレーション技術の開発も進めています。風況以外でも、洋上風力発電の基本設計に必要な気象・海象の測定や解析の広範な実績を有しています。さらに、数多くの海底地盤調査を手掛けてきた、国内NO.1企業の応用地質株式会社との協力体制を構築しています。
また、日本気象協会は、洋上風力発電事業に関する環境アセスメントについて、国内随一の実績を有しています。環境を保全し、地域の皆様の事業への理解や合意に留意しながら、事業の導入支援を行ってまいりました。
さらに、上記のような各地域・各事業への貢献にくわえて、NEDOをはじめとする国のプロジェクトにも多数参画しており、最新の技術開発や、円滑な導入のための手法の確立に寄与してきました。
日本気象協会は、これからも洋上風力発電事業に関連する広範な分野への参画・支援を通じて、再生可能エネルギーの導入拡大に貢献していきます。
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会】NEDO公募2件の調査研究項目に採択_