日本気象協会、再エネアグリゲーター向け予測技術の高度化に関する 新たな取り組みを開始 ~「令和3年度 再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業」に参画~
Press Release
一般財団法人日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は、一般社団法人環境共創イニシアチブが公募する「令和3年度 再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業」(以下「本事業」)にて実証協力者企業として2021年6月8日(火曜日)に採択されましたのでお知らせします。
本事業は、東芝ネクストクラフトベルケ株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:新貝 英己)がコンソーシアムリーダーとなり、各再エネアグリゲーターおよび実証協力者企業によるコンソーシアム体制で推進します。日本気象協会は当該コンソーシアムへ実証協力者として参画し、日射量・太陽光発電出力予測をはじめとする予測技術の高度化に関する課題検討を通じ、再エネアグリゲーション事業の発展に貢献していきます。
【本事業について】
「令和3年度 再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業」は、変動性の高い太陽光発電等の再生可能エネルギー発電設備と蓄電池等の分散型エネルギーリソース(DER)を組み合わせ、需給バランス確保のための発電出力予測や、リソース制御に必要となる技術等の実証を行います。実証を通じて、DERを活用した安定かつ効率的な電力システムの構築と、再生可能エネルギーの普及拡大を図ることを目的としています。
【本事業の実施期間】
2021年6月~2022年2月(予定)
【本事業の実施体制】
◎コンソーシアムリーダー:東芝ネクストクラフトベルケ株式会社
○再エネアグリゲーター:合計17社
○実証協力者:日本気象協会を含め、合計11社
【令和3年度の実証実験概要】
・インバランス回避に関する実証
・蓄電池活用による利益最大化の検証
・予測技術の高度化に関する実証
【日本気象協会が本事業にて実施する内容】
「予測技術の高度化に関する実証」にて、日射量・太陽光発電出力をはじめとする予測技術の高度化検討
【日本気象協会が本事業へ参画する背景について】
日本気象協会は、以前より一般送配電事業者や小売電気事業者、再エネ発電事業者などへ太陽光・風力発電出力予測情報を提供してきました。また2020年度は「令和2年度 需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント 構築実証事業(バーチャルパワープラント構築実証事業)」にも参画しています。(https://www.jwa.or.jp/news/2020/06/9924/)
現在日本では、FIT制度のもと再生可能エネルギーの導入が進んでいます。2021年度からは需給調整市場が順次開始され、2022年度からはFIP制度への移行やアグリゲーターのライセンス制度が開始されるといった市場変化が予定されています。FIP制度下では発電事業者に正確な発電量予測に基づく計画値同時同量の責務が課されるほか、変動する市場価格に応じた最適な取引によるマーケットリスクへの対応が必要となることから、これらの課題解決を支援する再エネアグリゲーターの存在が必要となります。
このようにDERを束ねるアグリゲーションビジネスの必要性が高まる中、高度なリソース制御に必要不可欠である予測技術の高度化に関して事業者の要望が高くなっています。また、今後はインバランスコストの改定が予定されており、高精度な予測情報のニーズはますます高まる見込みです。
日本気象協会は本事業での実証を通じて、SYNFOS-solar(日射量・太陽光発電出力予測)をはじめとする予測技術の高度化を目指します。今後拡大する高精度な予測情報へのニーズに対するより良いサービスの提供を通じて、再エネアグリゲーターによる精緻な需給管理実現を支援するとともに、わが国の再エネ主力電源化の実現に貢献してまいります。
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会】令和3年度再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業参画_
参考資料
用語について
■再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業:
正式名称は以下のとおりです。
令和3年度 蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業費補助金
(再生可能エネルギー発電等のアグリゲーション技術実証事業のうち再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業)
■DER:
「分散型エネルギーリソース(Distributed Energy Resources)」のことで、家庭の屋根上に設置された太陽光パネルや電気自動車に搭載された蓄電池などのことを指します。
■アグリゲーション:
ここではDERを集約することを指します。
■再エネアグリゲーター:
ここでは、太陽光発電などの再生可能エネルギー発電設備や蓄電池などのエネルギーリソースを集約し、集約したリソースを活用したさまざまなサービス(例:再生可能エネルギー電源の接続サービスやエネルギーマネジメントサービスなど)を提供する事業者を指します。
■インバランス:
小売電気事業者による需要計画値と需要実績値との差が、一般送配電事業者によって清算されることで発生するペナルティ料金のことを指します。
■VPP:
「バーチャルパワープラント」のことで、情報通信技術などにより、分散するエネルギーリソースを統合的に制御し、あたかも一つの発電設備のように機能する仮想発電所のことを指します。
■FIT:
「フィード・イン・タリフ」のことで、太陽光や風力をはじめとした再生可能エネルギーによって発電した電気を、国が定めた価格で買い取るよう電力会社に義務づける制度を指します。
■FIP:
「フィード・イン・プレミアム」のことで、再生可能エネルギーにより発電した電力を発電事業者自らが電力市場で売電することを原則としています。その売電の際、変動する市場価格にプレミアム(上乗せ価格)をつける制度を指します。