一般社団法人ダム工学会から 優秀発表賞を受けました
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一般財団法人 日本気象協会の木谷和大は、2021年11月18日(木)、一般社団法人ダム工学会から令和3年度ダム工学会研究発表会・講習会優秀発表賞を受けましたのでお知らせします。
論文賞の内容
○賞の名称
令和3年度 ダム工学会 研究発表会・講習会 優秀発表賞
○受賞業績
「効率的なダム運用を目的とした15日間アンサンブル降雨予測の活用可能性検討」
○受賞者
木谷和大(日本気象協会本社 社会・防災事業部 防災マネジメント課 技師)
※令和3年度 ダム工学会 研究発表会開催報告[一般社団法人ダム工学会]
ダム工学会研究発表会・講習会優秀発表賞は、ダム工学研究発表会の年次大会において発表される論文のうち、優秀発表賞選考委員会による審査が行われ最も優れた発表に授与されるものです。
今回表彰対象となった発表論文の概要は、ダムの効率的な運用を目的として、日本各地のダムを対象に15日先までのアンサンブル予測を用いて、流域平均雨量の予測精度の評価を行ったものです。本研究で中位と位置付けたアンサンブルメンバーの6位~15位の平均は、7日前前後から適合率が1に近くなり予測のばらつきが小さくなっていました。事前放流ガイドラインで用いられるGSMガイダンスのばらつきと比較すると全国的にほぼ同程度のばらつきであり、予測時間がより長くなっても精度は同程度でした。治水協定の基準雨量の1/2以上を観測した降雨事例の雨量比で見ると、特に中部・関西地方でアンサンブル全体として精度よく予測できていることが分かりました。
<日本気象協会から>
本研究で用いたアンサンブル降雨予測は、日本気象協会の『事前放流判断支援サービス』(注1)としても提供しているものです。頻度バイアス補正と統計的ダウンスケーリング手法によって精度を担保し、従来予測よりも早い段階でダム操作を行うことで、より効率的なダム操作が可能となります。日本気象協会として、研究発表を高く評価いただき、このように表彰いただけたことは、この上なく光栄に感じております。
日本気象協会は、国立大学法人京都大学と独立行政法人水資源機構の3者共同で、ダムの事前放流の高度化を図る検討を進めています。これは、「内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期 『国家レジリエンス(防災・減災)の強化』」(注2)の研究課題として行われています。本研究はこれらの研究の一環として行われました。研究課題に対する新規性、有用性を評価いただいたものと受け止めています。
今後も日本気象協会は企業活動や研究活動を通じて得た成果を、社会課題の解決に役立てていきます。
日本気象協会事業本部 社会・防災事業部防災マネジメント課技師 木谷 和大
<ご参考>
注1: JWAアンサンブル降雨予測 https://www.jwa.or.jp/service/weather-risk-management/flood-hazard-09/
注2: SIP 第2期「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」研究開発項目Ⅵ.スーパー台風被害予測システムの開発[国土技術研究センター]
以上
PDFダウンロード:【日本気象協からのお知らせ】令和3年度ダム工学会 優秀発表賞を受賞