日本気象協会、エネルギー事業者向け総合APIサービス「ENeAPI」の提供を開始
~「日射量・太陽光発電出力予測API」を大幅拡充し、総合APIサービスとしてリニューアル~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は、これまで太陽光発電事業者向けに展開していたAPIサービスを大幅に機能拡充し、2022年2月3日(木)から新たに「ENeAPI(エネエーピーアイ)」として提供を開始します。
2022年4月には、FIP制度(注1)の開始やインバランス制度(注2)の見直し、アグリゲーター(注3)ライセンスの創設など、電力市場に関連するルールが大きく変わります。日本気象協会では2020年8月より「日射量・太陽光発電出力予測API」の提供を開始し(注4)、2021年10月にはこれらのルール変更に向けて機能拡充を行いました(注5)。今後は太陽光発電事業者に限らず、エネルギー事業者向けに広く展開することを目指し、サービス名称を「ENeAPI」へと一新します。「ENeAPI」は太陽光発電事業者向け「太陽光API」のほか、風力発電事業者向け「風力API」(2022年春リリース予定)、エネルギーマネジメント事業者向け「エネマネAPI」、発電設備や蓄電設備などの分散型エネルギーリソースの保有者および運用管理事業者向け「リスク情報API」の4つのサービスから構成されています。

「ENeAPI」の提供開始にあたり、「日射量・太陽光発電出力予測API」の機能拡充を行い「太陽光API」と「エネマネAPI」へと移行するとともに、新たに「リスク情報API」を追加します。このたび提供を開始する機能は以下のとおりです。
・短時間日射量予測(SOLASAT 8-Nowcast)(太陽光API)
・2週間日射量予測、2週間気温予測(エネマネAPI)
・落雷観測情報、雷ナウキャスト(リスク情報API)
・解析積雪深(リスク情報API)

◆太陽光API
2020年8月より提供している「日射量・太陽光発電出力予測API」から一部機能を移行し、新たに「短時間日射量予測(SOLASAT 8-Nowcast)」の提供機能を追加します。まずは4エリア(東京エリア、中部エリア、関西エリア、九州エリア)を対象とした情報提供を開始し、2022年度にかけて順次提供エリアを拡大していきます。
追加機能:短時間日射量予測(SOLASAT 8-Nowcast)
◎機能:
・気象衛星ひまわり8号の衛星画像を活用した高頻度の日射量予測サービス「SOLASAT 8-Nowcast」を活用
・全国500mメッシュの高解像度で、日射量を5分ごと、3時間半先まで予測
◎想定用途:
・主に太陽光発電が連系された電力系統を対象とした直近数時間の需給調整
・時間前市場での電力取引
・インバランスや出力制御影響回避を目的とした目先の設備制御に関する基礎情報



◆エネマネAPI
個々の工場・ビル・住宅から、マイクログリッド、スマートシティ、さらには電力エリア単位までの高度なエネルギーマネジメントの実現に貢献する情報を「エネマネAPI」で提供します。電力需要予測で活用いただける気象情報のほか、戦略的な電力取引に役立つ情報も含め、順次機能拡充を行っていきます。このたび「日射量・太陽光発電出力予測API」から一部機能を移行し、新たに「2週間日射量予測、2週間気温予測」の提供機能を追加します。
追加機能:2週間日射量予測、2週間気温予測
◎機能:
・日本気象協会が独自作成した日射量・気温の予測情報を30分ごと、2週間先まで提供
◎想定用途:
・最大2週間先までを対象とした需給管理や電力取引などに関わる計画作成支援
・太陽光発電量や気温の変化に影響されやすい電力需要量をより長期的な視点で見通すことによる、電力市場にインパクトを与える需給ひっ迫リスクを把握する上での基礎情報

(黄線:全天日射量、緑線:気温)
◆リスク情報API
エネルギー事業者が保有するインフラやシステムを気象災害などのリスクから守り、それらのレジリエンス(強靭性)確保に貢献する情報を「リスク情報API」で提供します。日常の発電設備などの維持・管理に役立つ情報も含め、順次機能拡充を行っていきます。このたび第1弾として「落雷観測情報、雷ナウキャスト」、「解析積雪深」の提供機能を追加します。
追加機能①:落雷観測情報、雷ナウキャスト
◎機能:
・任意地点周辺を対象とした最大で直近1時間分の雷監視情報を提供(落雷観測情報)
・任意地点での雷の活動度を10分ごと、1時間先まで予測(雷ナウキャスト)
◎想定用途:
・発電設備や蓄電設備などへの落雷に伴う故障リスク把握
・現地作業員による保守点検作業の実施可否判断
追加機能②:解析積雪深
◎機能:
・全国の積雪深(積雪の深さ)を5kmメッシュで推定
◎想定用途:
・積雪の影響を考慮した発電・蓄電・蓄熱設備の運転管理
・保守点検に関わる実施判断の基礎情報
・太陽光パネルへの積雪影響を加味した電力需給計画の作成
(太陽光APIで提供する日射量・太陽光発電出力予測と併せて参照した場合)
◆サービス開始日
2022年2月3日(木)
◆サービスに関するお問い合わせ(法人向け)
日本気象協会 環境・エネルギー事業部 営業課
Mail:ke-eigyo_kankyo@jwa.or.jp
*報道関係の方は日本気象協会 広報室までお問い合わせください。
以上
補足資料
◆「ENeAPI」の特徴
・ 任意地点の予測情報を提供(郵便番号、緯度経度、施設情報などから地点設定が可能)
・ お客さまの利用スケジュールに合わせた予測情報を提供可能
・ エネルギー事業に役立つさまざまな予測・推定情報を提供可能
◆「ENeAPI」の概要

◆リンク
・日射量・太陽光発電出力予測 SYNFOS-solar
https://www.jwa.or.jp/service/energie-management/solar-power-05/
・ひまわり8号による日射量推定サービスSOLASAT 8-Now
https://www.jwa.or.jp/service/energie-management/solar-power-13/
・ひまわり8号による日射量予測サービスSOLASAT 8-Nowcast
https://www.jwa.or.jp/service/energie-management/solar-power-12/
・アメダス推定日射量
https://www.jwa.or.jp/service/energy-management/solar-power-02/
(注1):FIP制度
「フィード・イン・プレミアム」のことで、再生可能エネルギーにより発電した電力を発電事業者自らが電力市場で売電することを原則としている。
その売電の際、変動する市場価格にプレミアム(上乗せ価格)をつける制度のこと。
(注2):インバランス
小売電気事業者による需要計画値と需要実績値との差、あるいは発電事業者による発電計画値と発電実績値の差分のこと。
この差分が一般送配電事業者によって清算されることで発生するペナルティ料金のことをインバランス料金と呼ぶ。
(注3):アグリゲーター
特定卸供給事業者のことで、需要家エネルギーリソースや分散型エネルギーリソースを集約し、
集約したリソースを活用したさまざまなサービスを提供する。
(注4):日射量・太陽光発電出力予測APIを提供開始~任意地点の予測情報をAPIで容易に取得可能に~
(2020/08/06 日本気象協会ニュースリリース)
https://www.jwa.or.jp/news/2020/08/10704/
(注5):日本気象協会、太陽光発電事業者向け「日射量・太陽光発電出力予測API」を拡充
~2022年4月のFIP制度開始に先駆け、2つの新機能を追加~
(2021/10/26 日本気象協会ニュースリリース)
https://www.jwa.or.jp/news/2021/10/14952/
・「SYNFOS」は日本気象協会の登録商標(登録第4935276号)です。
・「SOLASAT」は気象衛星画像の解析技術を用いた日射量推定・予測サービスの総称です。
・「SOLASAT」は日本気象協会の登録商標(登録第5779712号)です。
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】ENeAPI提供開始&機能拡充_