日本気象協会、太陽光発電事業者向け「日射量・太陽光発電出力予測API」を拡充 ~2022年4月のFIP制度開始に先駆け、2つの新機能を追加~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は、これまで太陽光発電事業者向けに展開している日射量・太陽光発電出力予測API(以下、本API)」に2つの新機能を追加し、2021年10月26日(火)から新たに提供を開始します。
日本気象協会では、2020年8月より本APIの提供を開始しました(注1)。今回、お客さま企業からの要望が多く寄せられていた予測値の逐次補正機能および日射量・太陽光発電出力推定値の提供機能を追加します。
◆追加機能① 予測値の逐次補正機能
日本気象協会が保有する衛星推定日射量(SOLASAT 8-Now)を活用し、予測値の逐次補正を行います。本機能により、数時間先までの予測精度が向上し、電力の販売・調達の中で事業者のリスクとなるインバランス(注2)の発生を低減させる効果が期待できます。また、お客さま側で取得している現地気象観測値や太陽光発電出力実績値による補正も可能です(オプション機能)。

◆追加機能② 日射量・太陽光発電出力推定値の提供機能
新たに日射量・太陽光発電出力推定値の提供機能が加わりました。気象衛星ひまわり8号による日射量推定サービス「SOLASAT 8-Now」を用いて、最新時刻および過去6日間の任意地点の日射量推定値を提供します。さらに、太陽光発電設備の諸条件を設定いただくことで、日射量推定値から太陽光発電出力推定値に変換して提供することも可能です。これにより、リアルタイムで期待発電量のモニタリングが可能となり、今後導入の拡大が期待されるPPAモデルでの太陽光発電設備の遠隔監視や故障診断にも活用いただけます。
今冬にはひまわり8号による日射量予測サービス「SOLASAT 8-Nowcast」のAPI提供を予定しており、5分ごと・3時間半先までの高解像度の日射量予測値もご利用いただけるようになります。

◆サービス開始日
2021年10月26日(火)
◆サービスに関するお問い合わせ(法人向け)
日本気象協会 環境・エネルギー事業部 営業課
Mail:ke-eigyo_kankyo@jwa.or.jp
*報道関係の方は日本気象協会 広報室までお問い合わせください。
以上
補足資料
◆日射量・太陽光発電出力予測APIの特徴
・任意地点の予測情報提供(郵便番号、緯度経度、施設情報などから地点設定が可能)
・お客さまの利用スケジュールに合わせた予測情報提供
・エネルギー事業に役立つさまざまな予測・推定情報を提供可能
– 日射量予測に特化した独自気象モデル「SYNFOS-solar」による高精度な予測情報
– 気象庁の全球モデル(GSM)やメソモデル(MSM)を利用した予測情報
– 日射量の推定情報[アメダス推定日射量、衛星推定日射量(SOLASAT 8-Now)]
– 太陽光発電出力の推定情報[衛星推定日射量(SOLASAT 8-Now)と発電設備情報に基づく推定]
– 太陽光発電出力の算出に必要な気温予測情報

◆日射量・太陽光発電出力予測APIのサービス内容

*1 発電出力変換のため、発電設備仕様等の情報が必要となります。
*2 SYNFOS-solarのほか、気象庁モデル(GSM、MSM)による予測もご利用可能です。
*3 SYNFOS-solarによる予測情報のご利用時に限り、日本気象協会が保有する日射量推定値(SOLASAT 8-Now)による予測値の逐次補正機能がご利用可能です。また、お客さま側で取得している現地気象観測値や太陽光発電出力実績値による補正も可能です(オプション機能)。
◆日射量・太陽光発電出力予測APIの概要

◆背景
2022年4月には、FIP制度(注3)の開始やインバランス制度の見直し、アグリゲーター(注4)ライセンスの創設など、電力市場に関連するルールが大きく変わります。これに伴い、太陽光発電事業の展開にあたっては、よりピンポイントかつ高精度な日射量・太陽光発電出力予測が求められています。
「日射量・太陽光発電出力予測API」は、お客さま側で指定する任意の地点および太陽光発電設備の諸条件に応じた日射量・太陽光発電出力予測情報が容易に取得可能なAPIです。提供した予測情報は、太陽光発電事業者や発電バランシンググループ(注5)、アグリゲーターなどによる正確な発電販売計画の作成支援をはじめ、スマート農業への応用など、幅広い分野で活用いただいています。その中で、電力市場に関わるお客さまからは、インバランスリスクを低減するためのゲートクローズ(注6)までの精緻な発電販売計画の策定や時間前市場の効率的な活用等に際して、数時間程度先までを対象とした日射量・太陽光発電出力予測のさらなる精度向上への期待の声が寄せられました。また、太陽光発電設備の運用・保守にあたっては、よりピンポイントな日射量・太陽光発電出力のリアルタイム推定値に関するご要望をいただきました。今回の機能追加は、そのようなニーズにお応えするものとなっています。今後もお客さまのニーズ把握に努め、本サービスがよりご活用いただけるものとなるよう、新機能や新コンテンツの拡充を随時行ってまいります。また再エネの主力電源化を通じた脱炭素社会の実現に貢献するため、本サービスの拡充・改良を通じて、太陽光発電などの分散型エネルギーリソースの普及および利活用促進を支援していきます。
◆リンク
・日射量・太陽光発電出力予測 SYNFOS-solar
https://www.jwa.or.jp/service/energie-management/solar-power-05/
・ひまわり8号による日射量推定サービスSOLASAT 8-Now
https://www.jwa.or.jp/service/energie-management/solar-power-13/
・ひまわり8号による日射量予測サービスSOLASAT 8-Nowcast
https://www.jwa.or.jp/service/energie-management/solar-power-12/
・アメダス推定日射量
https://www.jwa.or.jp/service/energy-management/solar-power-02/
(注1):日射量・太陽光発電出力予測APIを提供開始~任意地点の予測情報をAPIで容易に取得可能に ~
https://www.jwa.or.jp/news/2020/08/10704/
(注2):インバランス
小売電気事業者による需要計画値と需要実績値との差が、一般送配電事業者によって清算されることで発生するペナルティ料金のこと。
(注3):FIP制度
「フィード・イン・プレミアム」のことで、再生可能エネルギーにより発電した電力を発電事業者自らが電力市場で売電することを原則としている。その売電の際、変動する市場価格にプレミアム(上乗せ価格)をつける制度のこと。
(注4):アグリゲーター
特定卸供給事業者のことで、需要家エネルギーリソースや分散型エネルギーリソースを集約し、集約したリソースを活用したさまざまなサービスを提供する。
(注5):バランシンググループ
幹事となる新電力事業者が複数の新電力事業者をとりまとめ、グループ内でインバランスの融通、電源調達を行うことで、小売電気事業の調達・需給管理業務の効率化を提供する機能のこと。
(注6):ゲートクローズ
発電事業者および小売電気事業者が電力広域的運営推進機関へ提出する当日計画の提出期限のこと。実需給の1時間前で設定されている。
・「SYNFOS」は日本気象協会の商標登録(登録第4935276号)です。
・「SOLASAT」は気象衛星画像の解析技術を用いた日射量推定・予測サービスの総称です。
・「SOLASAT」は日本気象協会の登録商標(登録第5779712号)です。
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】日射量・太陽光発電出力予測APIの機能拡張_