日本気象協会、JOGMEC公募「洋上風力発電の導入促進に向けた基礎調査に係る業務」 2件の調査に採択
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は、独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構(以下「JOGMEC」)が公募した「洋上風力発電の導入促進に向けた基礎調査に係る業務」(以下「本事業」)のうち、2件の調査に採択されました。
【採択された調査】
(1) 令和5年度「洋上風力発電の導入促進に向けた基礎調査に係る業務」(北海道岩宇・南後志地区沖:風況・気象海象調査)
(2) 令和5年度「洋上風力発電の導入促進に向けた基礎調査に係る業務」(北海道檜山沖:風況・気象海象調査)
【本事業の概要】
洋上風力発電は政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の中でも、特に期待される分野です。政府は洋上風力発電の案件形成の加速化を図るため「セントラル方式」(*注)の確立に向けた制度設計を進めています。その一環としてJOGMECの業務に洋上風力発電設備の基本設計に必要な調査業務が追加される法改正が2022年5月に行われました。
本事業は法改正後、第一弾で公募されたもので、洋上風力発電の基本設計を行う際に必要となる情報・データを把握する事業です。
日本気象協会は、本事業の採択により、北海道の2区域(岩宇・南後志地区沖、檜山沖)において風況・気象海象調査を実施します。
(*注)セントラル方式とは、洋上風力発電の案件形成に際して、政府などが風況・気象海象、海底地盤調査や系統連系などの立地調整を主導することで効率的な案件形成を実現する仕組みです。
【本事業での調査内容】
① 風況調査
2台のスキャニングライダーにより陸上から洋上観測点の風向風速を計測するデュアルスキャニングライダー観測を実施し、対象海域における風況を把握します。
② 気象海象調査
温度計、気圧計、湿度計、波浪計、流向流速計等による観測を実施し、対象海域における気象海象を把握します。

【本事業での調査期間】
2023年6月~2025年2月(予定)
事業採択に関する詳細:
https://www.jogmec.go.jp/news/bid/content/300384184.pdf
https://www.jogmec.go.jp/news/bid/content/300384196.pdf
【日本気象協会の洋上風力発電に対する取り組み】
日本気象協会は2022年10月に「洋上風力発電推進ユニット」を環境・エネルギー事業部内に設置し、全社をあげて日本の洋上風力発電の導入に貢献する体制づくりと環境整備を行っています。近年、風況マストや上層風の鉛直分布観測用のドップラーライダー、洋上風をターゲットとしたスキャニングライダーなど数々の機器の利用による風況観測を多数実施しており、正確確実なデータ取得に必要な技術と経験を有します。その他、2017年には低動揺フローティングライダーを開発し、実海域における実証実験も行いました。また、気象分野の専門知識をふまえて洋上風況シミュレーション技術の高度化も日々進めています。風況以外でも、基本設計に必要な気象・海象の測定や、洋上でのバードストライク発生の有無を常時モニタリングする検知システムの開発なども行っています。
日本気象協会は、長年にわたり、国が関わる多岐多様なプロジェクトへの参画を通じて、最新の技術開発や円滑な導入のための手法の確立に貢献してきました。また、1960年代より公害・環境問題の解決に向けて培ってきた技術を活用し、風力発電事業に関する環境アセスメントの実施実績も豊富です。環境を保全し、地域の皆さまの事業への理解や合意に留意しながら事業の導入支援を行っています。
日本気象協会はこれからも洋上風力発電事業に関連する広範な分野への参画・支援を通じて、日本の再生可能エネルギーの導入拡大に貢献していきます。
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】 JOGMECにて2件の採択を受ける_