「熱中症ゼロへ」プロジェクト 2023年の熱中症にまつわる3大ニュース
~統計開始以降 最も暑かった夏~
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一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:渡邊 一洋、以下「日本気象協会」)が推進する「熱中症ゼロへ」プロジェクト(以下、本プロジェクト)は、2023年の「熱中症にまつわる3大ニュース」を発表します。
【2023年の熱中症にまつわる振り返り】
今年の6月から8月の平均気温は1898年の統計開始以降で最も高く、今年は過去最も暑い夏になりました。特に、7月後半から8月にかけて北日本を中心に記録的な暑さに見舞われ、8月5日に福島県伊達市梁川、10日に石川県小松市でともに最高気温40.0℃と、今年の国内最高気温を観測しました。年間の猛暑日(日最高気温が35℃以上)日数は、群馬県桐生市で46日と国内の歴代最多記録を更新し、埼玉県熊谷市で45日、京都市で43日など、過去最多を記録した地点が多くなりました。また、年間の真夏日(日最高気温が30℃以上)日数も、岐阜県多治見市で101日など過去最多となった所が多くなりました。東京でも記録的な暑さとなり、年間の猛暑日日数22日、真夏日日数90日はともに過去最多で、64日連続の真夏日(7月6日から9月7日まで)は過去最長でした。9月も厳しい残暑が続き、中旬から下旬にかけて、これまでで最も遅い猛暑日となった地点もありました。
5月から9月の全国の熱中症による救急搬送者数は91,467人(昨年より20,438人増加)で昨年の約1.3倍でした。記録的な暑さとなった北海道と東北は昨年の約2倍、8月は北海道と秋田県で昨年の約10倍と大幅に増加しました。暑さに慣れていない地域でも、早めに暑さへの備えを心がけて、万全の熱中症対策を行うことが大切です。
【2023年5月~9月の気象傾向】
5月の気温は、北日本で平年より高く、東日本や西日本、沖縄・奄美は平年並みでした。6月の気温は、暖かい空気が流れ込んだため、全国的に平年並みか高く、北日本ではかなり高くなりました。7月上旬から中旬にかけては、梅雨前線や低気圧の影響で、記録的な大雨となった所もありましたが、7月下旬には高気圧の張り出しが強まって、広く梅雨明けとなり、北日本や東日本を中心に猛烈な暑さに見舞われました。8月は、北日本を中心に暖かい空気に覆われやすく、台風の影響で南から暖かく湿った空気が流れ込みやすかったため、気温は北日本から西日本で平年よりかなり高くなりました。北日本と東日本では1946年の統計開始以降、8月として1位の高温でした。9月も全国的に厳しい残暑が続き、東日本や西日本では中旬から下旬に猛暑日(日最高気温35℃以上)となった地点もありました。
■「熱中症ゼロへ」プロジェクトとは
熱中症にかかる方を減らし、亡くなってしまう方をゼロにすることを目指して、一般財団法人 日本気象協会が推進するプロジェクトです。プロジェクト発足以来、熱中症の発生に大きな影響を与える気象情報の発信を核に、熱中症に関する正しい知識と対策をより多くの方に知ってもらう活動を展開してきました。2013年の活動開始から10年となる今シーズンは「必要な人に、適切なタイミングで、わかりやすく」をテーマに、激甚化する気象環境や変化する社会のニーズをとらえた熱中症の予防啓発活動を実践しました。
■一般財団法人 日本気象協会について
日本気象協会は、民間気象コンサルティング企業の先駆けとして1950年に誕生しました。防災・減災や洋上風力発電の分野以外でも、気象データを活用した商品需要予測や電力需要予測、気候変動対策などのコンサルティングを通じ、気象データのビジネスでの利活用を提案しつづけています。所属する気象予報士の数は350人を超え、日本最大級の規模を誇る気象の専門家集団として企業のESG投資やSDGs活動への支援も積極的に展開中です。
・「熱中症ゼロへ」のロゴマークは日本気象協会の登録商標です。
PDFダウンロード:【日本気象協会_熱中症ゼロへ】2023年の熱中症にまつわる3大ニュース_