日本の医療課題である「医療品の供給不足」解決を目指した新規サービスを 日本システム技術 未来共創Labと共同で開発
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:渡邊 一洋、以下「日本気象協会」)は、日本システム技術株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長 :平林 武昭、以下「日本システム技術」)未来共創Labと共に日本の医療課題解決を目的に、日本システム技術が提供する商材開発環境「Medical Data PROVISION」を利活用した新規サービスの開発を開始したことをお知らせします。
◆本取り組みの背景
近年、気圧や温度、湿度等さまざまな気象の変動に伴って起こる体調不調「気象病」が注目され、多くの人が悩まされています。また、これらの傷病以外にも花粉症やインフルエンザなど、日本人にとって身近な傷病が気象に関係しているケースが多く存在しています。このような状況の中、薬剤費の抑制や薬価の下落に伴う採算性の悪化、製造から処方までの物資サプライチェーンの複雑化等に伴う、医薬品の供給不安が問題視されています。
この問題に対して、気象・環境・防災・情報サ-ビスを通じて、安全・安心・快適な社会づくりに貢献してきた日本気象協会と、様々な企業/アカデミアとメディカルビッグデータ「REZULT(リザルト)」を利活用した共創活動を推進してきた日本システム技術とが共に取り組むことで、医薬品の効率的かつ安定的な供給を支援するサービスを開発することになりました。
◆実施事項
本取り組みでは、気象データとメディカルビッグデータを分析し、気象条件に即した医薬品処方量予測モデルを作成いたします。モデルを元に作成したリアルタイムの医薬品処方量データおよび予測結果は、日本システム技術がレポートやダッシュボード、データマート※1等お客さまのご要望にあわせて提供していく予定です。
◆開始時期
2024年4月以降
◆双方の役割
日本気象協会 :気象観測・予測、その他気象解析データの提供、メディカルビッグデータと気象データの関係性調査、医薬品処方量予測モデル開発
日本システム技術:レセプトデータ※2を中心としたメディカルビッグデータの提供、予測モデルを活用したダッシュボード開発
◆医薬品の処方量と気象との関係性
上図から、処方量が多く気象感応度の高い薬品が分かります。アレルギー性鼻炎や片頭痛、めまいと診断された際に処方量が多い医薬品は、当週と比較して前週の降水量が多いほど処方量が増加する傾向が顕著に現れました。他にも季節ごとに医薬品の処方量と気象との関係性が強く見られたことから、気象による疾病及び医薬品の処方量への影響は無視できないものであると考えられます。
◆今後の展望
日本気象協会は、気象データとレセプトデータなどのメディカルビッグデータを連携することで、医薬品の最適供給体制をサポートすると共に、今後はさらに中~長期の計画にも役立てていただけるコンサルティングを実施していく予定です。
◆日本気象協会が提供する商品需要予測コンサルティングについて
日本気象協会ではこれまでPOSデータや広告量データ、人流データ等の多様なデータと気象データをかけあわせて解析することで、新たな価値を創造してきました。メーカー、小売、飲食などさまざまな企業での商品需要予測や来店客数の予測を行っています。高度な解析力と高精度な気象予測であらゆる企業活動を支援してまいります。
商品需要予測コンサルティング https://www.jwa.or.jp/service/weather-and-data/weather-and-data-01/
ウェザーマーケティング情報メディア「WeatherX」 https://weather-jwa.jp/
※1:データマートとは、企業などで情報システムに記録・蓄積されたデータのなかから、利用部門や用途、目的に応じて一部を抽出したデータベースのこと。
※2:レセプトとは、患者が受けた保険診療について、医療機関が保険者(市町村や健康保険組合)に請求する医療報酬の明細書のことです。医科・歯科の場合には診療報酬明細書、保険薬局における調剤の場合には調剤報酬明細書、訪問看護の場合には訪問看護診療費明細書とも言います。1患者、1か月、1医療機関あたりで1件のレセプトにまとめられており、患者が医療機関を受診した原因となる疾病情報や、医療費を支払っている情報等を保持しています。日本システム技術ではこれらの各種情報をデータベース化して保持しています。
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】「医療品の供給不足」解決を目指した新規サービスを開発_