ホームニュースリリース・日本気象協会からのお知らせ2015年 / 名古屋工業大学×東北大学×日本気象協会の熱中症リスク評価技術の共同研究開発 ~個人に応じた熱中症対策を提案する、新たな情報~

ニュースリリース

日本気象協会からの
お知らせ

お問い合わせフォーム

気象予報士登録制度のお知らせ
ニュースリリース・日本気象協会からのお知らせ

日本気象協会からのお知らせ

2015.07.23

名古屋工業大学×東北大学×日本気象協会の熱中症リスク評価技術の共同研究開発 ~個人に応じた熱中症対策を提案する、新たな情報~

  一般財団法人日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:繩野 克彦)は、名古屋工業大学(所在地:名古屋市昭和区、学長:鵜飼 裕之)と東北大学(所在地:仙台市青葉区、総長:里見 進)が共同で研究した熱中症リスクを評価する技術を用いたシミュレーションに対して気象予測情報を提供します。また、一般の方向けに個人に応じた熱中症情報の提供を目指します。

  本共同研究グループでは、主に下記3点を研究・開発しました。
1) 名古屋工業大学が、乳幼児や高齢者などの個人属性を考慮した熱中症リスク評価のための「複合物理・システムバイオロジー統合シミュレーション技術」を開発
2) 東北大学サイバーサイエンスセンターのスーパーコンピュータにより効率的に実装、高速化に成功
3) 気象予測データを用いることで、ある時間から3時間経過後にかけての熱中症のリスクの変化の様子を10分で評価する技術の開発

  その結果、より個人に応じた熱中症対策を提案可能になり、場面に応じた熱中症の発生数の低減に貢献することが期待できます。

【具体的な評価事例】
  熱中症の患者数が急増する梅雨明けは、平年の東京で7月21日頃です。そこで、平年通りに梅雨明けした2014年7月25日10時~12時にかけて東京で屋外に居続けた場合の熱中症リスクについて、3歳児、成人(男性、女性)、高齢者(65歳、75歳)を対象としてシミュレーションを実施し、各年齢についてそれぞれ比較を行いました(図参照)。

 

3時間後の体表面温度.jpg
3時間後の体表面温度

 

大学共同研究_グラフ左_2.png
  大学共同研究_グラフ右_2.png
体内深部温度(体温)の時間変化     1分当たりの発汗量の時間変化



  当日の東京は、夏の太平洋高気圧の勢力範囲で、晴れて気温も35℃を超える猛暑日となりました。本共同研究グループのシミュレーションを用いた、3時間後の体表面温や体内深部温度(体温)の時間変化に着目すると、体温が上昇していると理解でき、成人(男性、女性)に比べて、3歳児や高齢者(65歳)、特に高齢者(75歳)ではその上昇が顕著にみられるという結果が得られました。また、発汗量の変化についても、高齢者(65歳)、特に高齢者(75歳)は成人(男性、女性)や3歳児に比べ発汗し始めるまでに時間がかかり、その後の発汗量も少ない状態が続くことが示されています。
  このように、従来の手法では考慮が困難であった年齢別のリスクを評価できる点が、名古屋工業大学が開発した指標の新規性として挙げられます。また、このようなモデルを計算するにあたって、コンピュータの性能がネックの一つとなっておりました。しかし、東北大学サイバーサイエンスセンターのベクトル並列型スーパーコンピュータを用いることで計算時間が大幅に短縮されました。

【日本気象協会が参加した背景】
  日本気象協会では、これまでにも幅広い世代の方に向けて熱中症予防に関する啓発活動を行ってきました。特に2012年から推進している熱中症予防啓発プロジェクト『熱中症ゼロへ®』ではイベントや協賛企業、各種メディアなどを通して、熱中症予防を呼びかけています。また、全国の気象情報を提供する日本気象協会の天気予報専門サイト「tenki.jp」では、気象予測情報を活用した地点別の熱中症情報の予測や、熱中症予防に関するコラムなどを公開しています。

  このような情報提供のノウハウを持つ日本気象協会では、気象情報を提供するだけではなく、共同研究グループで得られた知見を広く一般の方に発信し、このたび開発された熱中症リスク評価技術を有効に活用する役割を担います。
  また個人属性を考慮した熱中症リスク評価を広く一般の方に発信することで、より「他人事にしない」熱中症予防啓発につなげることを目指します。

名古屋工業大学および東北大学の詳細な研究内容・成果に関しては、以下のURLをご覧ください。

名古屋工業大学HP http://www.nitech.ac.jp/news/news/2015/3723.html
東北大学HP  http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2015/07/press20150721-01.html
東北大学サイバーサイエンスセンターHP http://www.cc.tohoku.ac.jp/NEWS/press_release_27.7.21v8c.pdf


【この件に関するお問合せ】
技術に関するお問い合わせ:

◇名古屋工業大学(熱中症のリスク評価について)
・情報工学専攻 准教授 平田晃正
   Tel: 052-735-7916
   e-mail: ahirata@nitech.ac.jp

・企画広報課 広報室 大村由樹

   Tel: 052-735-5647
   e-mail: pr@nitech.ac.jp

◇東北大学(スーパーコンピュータ・プログラムの最適化について)
・サイバーサイバーサイエンスセンター 准教授 江川隆輔
   Tel: 022-795-3416
   e-mail: egawa@cc.tohoku.ac.jp

・情報部情報基盤課 総務係 佐藤恵美子
   Tel: 022-795-3407
   e-mail: som@cc.tohoku.ac.jp

今後の展開に関するお問い合わせ:日本気象協会(下記お問い合わせフォームよりお問い合わせください。)

このニュースに関するお問い合わせなど、お気軽にご連絡ください。