日本気象協会、「日本鳥学会2025年度大会」に参加
~「洋上風力発電の環境影響評価における鳥類調査の手法」に関する意見交流会にて議論~
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一般財団法人 日本気象協会 (本社:東京都豊島区、理事長:渡邊 一洋、以下「日本気象協会」)は、2025年9月12日(金)から15日(月・祝)に、北海学園大学豊平キャンパスおよび北海道大学札幌キャンパス高等教育推進機構で開催された「日本鳥学会2025年度大会」にて、鳥類の飛翔航跡調査に関する2件のポスター発表を行いました。また、自由集会では「洋上風力発電の環境影響評価における鳥類調査の手法」に関する意見交換会を開催し、主に「洋上風力発電施設へのバードストライク対策」に関する課題などについて議論を行いました。
○発表内容
●ポスター発表 その1
タイトル:航空写真×レーザー計測:洋上の鳥類の三次元モニタリングに向けた試み
発表者 :倉部鈴美※1・板谷浩男※1・中込大河※1・工藤嘉晃※1・藤井直紀※1・島田泰夫※1・桃谷辰也※1・若松孝平※2・玉井翔※2・高野正範※2・佐橋優也※2
※1 日本気象協会、※2 中日本航空株式会社
要 旨 :愛知県伊良湖岬から三重県鳥羽市までの海域において、航空写真とレーザー計測を併用した鳥類調査を実施し、鳥類モニタリング手法を検討した。その結果、高解像度写真は種判別に有効であり、レーザー点群からの個体数推定は航空写真上で確認できた個体数と強い相関を示した。また、点群の標高情報により飛翔高度の把握も可能であり、両手法の併用により鳥類相、分布状況、利用高度の把握が期待される。
●ポスター発表 その2
タイトル:レーザー測距計VECTORを用いた鳥類飛翔軌跡の形状による分類の試み
発表者 :中込大河・島田泰夫・藤井直紀・板谷浩男・工藤嘉晃・鎌田和歌・桃谷辰也(日本気象協会)
要 旨 :レーザー測距計VECTORを用いて鳥類の飛翔軌跡を記録し、軌跡形状に基づく分類可能性を検討した。複数種の軌跡データから特徴変数を抽出し、統計解析を実施した結果、2次元上の軌跡からも分類可能性が示唆された。今後はデータ取得時の環境・行動要因の影響を考慮し、さらなる分類精度の向上を目指す。

●自由集会
テーマ:洋上風力発電の環境影響評価における鳥類調査の手法に関する意見交流会
主催者:板谷浩男※1、藤井直紀※1、倉部鈴美※1、會田義明※3、萩原陽二郎※4、西澤文吾※5、風間健太郎※6
※1日本気象協会、※3環境省大臣官房環境影響評価課、※4いであ、※5水産研究・教育機構、※6早稲田大学
要 旨:2050年の脱炭素に向け日本では洋上風力発電を推進している。その中で鳥類への影響評価と軽減策が重要になっている。外洋では航空機を用いたセンサス調査やトラッキング機器を用いた調査の活用が期待されており、専門家を交えて調査手法の課題や展望について議論する。

なお、本集会の内容は、2026年の日本鳥学会誌に掲載される予定です。
<学会情報>
○名称:日本鳥学会2025年度大会
○主催:一般社団法人日本鳥学会
○日本鳥学会2025年度大会HP:https://osj2025.ornithology.jp/index.html
<関連ニュース>
・風力発電に関するコンサルティングサービス
https://www.jwa.or.jp/service/energy-management/wind-power-01/
・風力発電のバードストライク監視サービス「鳥類監視システム」
https://www.jwa.or.jp/service/energy-management/assessment-04/
・洋上での鳥類飛翔状況の調査手法に関する共同研究
https://www.jwa.or.jp/service/energy-management/assessment-05/
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会からのお知らせ】日本鳥学会2025に参加_