洋上風力発電の事業性評価を支援する「洋上風況推定シミュレーション」を提供開始 ~気象モデルにより、風車ハブ高さ100mの洋上風況を300mメッシュで解析~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は、洋上風力発電の事業性評価を支援する「洋上風況推定シミュレーション(以下、「本サービス」)」の提供を2020年11月30日(月)から開始します。本サービスは洋上風力発電の事業検討海域での風況を、気象モデルを用いて推定することで、洋上風力発電の事業性評価に必要な解析を実施します。
本サービスで提供する洋上風況推定値は、直接観測が難しい洋上での空間的な風況データとして、洋上風力発電事業者の事業性評価に活用いただけます。
1.「洋上風況推定シミュレーション」の特徴
- 洋上風力発電の事業検討海域を対象に、300mメッシュでの高解像度な気象の数値シミュレーションを行い、洋上風力発電の事業性評価に必要となる風況データを推定。
- 事業性評価で実施する風況観測の推奨高さである「風車ハブ高さ(高度100mなど)」の風況マップや、台風や前線通過などの気象状況を加味した年間風況データを提供することが可能。
- 日本気象協会が開発した洋上風況観測システム「BuoyLidar(ブイライダー)」の観測値を数値シミュレーションに取り込むことで、より高精度な洋上風況の推定が可能。
2.サービス内容
3.サービス開始日
2020年11月30日(月)
4.洋上風況推定シミュレーションに関するお問い合わせ(法人向け)
日本気象協会 環境・エネルギー事業部 営業課
Tel:03-5958-8142 Mail:ke-eigyo_kankyo@jwa.or.jp
*報道関係の方は日本気象協会 広報室までお問い合わせください。
5.開発の背景
2019年4月、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」が施行され、洋上風力発電の導入促進が見込まれています。洋上風力発電の導入には、洋上風況の把握が不可欠です。洋上風況の把握方法には、「風況観測機器による直接観測」と「数値シミュレーションによる洋上風況推定」があります。このうち、洋上風況観測はこれまでほとんど実施されておらず、一部の研究開発事業で洋上に建設した鉄塔による観測事例が見られる程度でした。このため、数値シミュレーションによる洋上風況推定値の精度検証例は少なく、さらなる検証を行うとともに洋上風況推定に適した数値シミュレーション技術の開発が必要でした。
そこで、日本気象協会は、実証実験を通して、日本の厳しい海洋環境に適用できる安全で高精度な洋上風況観測システム「BuoyLidar」と、洋上風況観測値を活用した数値シミュレーションによる洋上風況推定技術を開発しました。
なお、BuoyLidarおよび洋上風況推定技術は、環境省から受託した「洋上風況の観測システム及び推定に関する技術開発・実証事業(CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業)」(受託期間:2016年度~2020年度)にて開発しました。
※関連リンク
洋上風況推定シミュレーション
https://www.jwa.or.jp/service/energy-management/wind-power-04/
2020.09.15 日本気象協会ニュースリリース
低動揺型スパーブイを用いた洋上風況観測システム「BuoyLidar」の実証実験を終了~山形県酒田沖の厳しい海洋環境で、安定した長期観測を確認~ https://www.jwa.or.jp/news/2020/09/11056/
2017.07.11 日本気象協会ニュースリリース
世界初!低動揺ブイを用いた洋上風況観測システム「BuoyLidar(ブイライダー)」を開発 従来比10分の1程度のコスト軽減へ、山形県庄内沖にて実証実験を開始 https://www.jwa.or.jp/news/2017/07/4490/
2016.09.13 日本気象協会ニュースリリース
日本気象協会「平成28年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」に採択される~「洋上風況の観測システム及び推定に関する技術開発・実証事業」を実施~ https://www.jwa.or.jp/news/2016/09/4638/
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】「洋上風況推定シミュレーション」を提供開始_