2020年桜開花予想(第3回) 記録的に早い開花! 東京は最も早い記録を更新か
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は、日本全国89地点の桜[ソメイヨシノ ほか]の開花予想(第3回)を、2020年3月5日(木)に発表します。なお、今回からは満開予想日も発表します。
2020年開花予想前線図


2020年 開花予想日・満開予想日(主な地点)


開花と満開の傾向
桜の開花は、全国的に平年よりかなり早いでしょう。広い範囲で平年より10日前後早く開花し、平年より2週間も早まるところもある見込みで、記録的な早さになるでしょう。
今年の開花は、3月15日に東京、名古屋、岐阜からスタートする見込みです。東京は平年より11日早く、2002年と2013年の3月16日を抜いて、統計開始(※1)以来、最も早い開花となる見通しです。名古屋や岐阜も、その地点でのこれまでで最も早い開花日を更新する予想です。3月16日に福岡、横浜、熊谷など、17日には小田原、八王子、愛媛県宇和島で開花するでしょう。3月末までには九州から関東、東北南部にかけての広い範囲で開花し、4月上旬には東北北部で咲き始める見込みです。桜前線は4月下旬に津軽海峡を渡り、函館は4月22日、札幌は26日に開花するでしょう。
この冬(12月~2月)は、全国的に気温がかなり高く、西・東日本では気温の統計開始(※2)以来、最も高い記録を更新しました。日本海側では降雪量が記録的に少なくなりました。この先も暖かい傾向が続くでしょう。今後も日本海側の降水量は、平年並みか、少ないでしょう。
この冬の桜の花芽の休眠打破(※3)は、やや遅れました。3月以降も全国的に気温が平年より高く経過し、花芽の生長が促されると予想されるため、開花予想日は全国的に早まる見込みです。なお鹿児島は冬期の冷え込みが弱いことから、他の地域に比べ休眠打破の遅れが大きいと考えられるため(※4)、平年より遅くなる見込みです。
満開日は、おおむね開花日の1週間から10日くらい後で、全国的に平年よりかなり早いでしょう。予想満開日が最も早いのは東京と熊谷の3月24日で、平年より10日くらい早くなりそうです。3月末は九州から関東で満開になるところが多いでしょう。
※1 桜の開花・満開の統計開始は1953年
※2 気温の統計開始は1946/47年
※3 休眠打破:前年の夏に形成され休眠に入った花芽が、冬になり一定期間の低温にさらされて目覚めること
※4 気温が高い場合、元々温暖な地域は現在より開花が遅れ、元々寒冷な地域は現在より開花が早まる傾向があります
全89地点の桜の開花予想日はこちら: https://tenki.jp/sakura/expectation/
【言葉の説明】
平年:1981~2010年の平均値
かなり早い :平年より7日以上早い
早い :平年より3日から6日早い
平年並 :平年との差が2日以内
遅い :平年より3日から6日遅い
かなり遅い :平年より7日以上遅い
桜開花予想に関するよくあるご質問
Q1:桜開花予想の発表のスケジュールは?
A1:以下の日程を予定しています。2月中は開花予想日のみを発表し、3月以降は開花予想日と満開予想日を発表します。
第1回 2月6日(木) | 第2回 2月20日(木) | 第3回 3月5日(木) | 第4回 3月12日(木) |
第5回 3月19日(木) | 第6回 3月26日(木) | 第7回 4月2日(木) | 第8回 4月16日(木) |
Q2:開花日・満開日の基準は?
A2:気象庁の観測基準と同じです。開花日は標本木で5~6輪以上の花が咲いた状態となった最初の日、満開日は標本木で80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日です。
Q3:予想する地点数は?
A3: 3月以降は全国で89地点の予想を発表します。予想地点89地点は、各地気象台が観測する標本木53地点と自治体・公園などの協力機関から観測データを得られる36地点となります。
Q4:日本気象協会の桜開花予想の手法・特徴は?
A4:花芽(はなめ)の生育過程に大きな影響を与える「秋以降の気温経過」に重点を置いた、独自の予測式を用いて開花予想を行っています。各地気象台の標本木や公園などの協力機関による正確な観測データを重視した、気象学的根拠に基づいた予想を出しているのが特徴です。
日本気象協会は2007年から桜の開花予想を実施しており、今年で14年目の取り組みです。
Q5:開花予想に使うデータは?
A5:以下データを使用しています。
①前年秋から予想作業日前までの気温観測値
②予想作業日から開花時期までの気温予測値(日本気象協会ポイント予報および長期予報)
桜の開花時期には、前年の秋から春にかけての気温が大きく影響します。桜の花芽は前年の夏に形成され、その後、休眠に入ります。冬になって一定期間の低温にさらされると、花芽は休眠から覚めます(休眠打破)。休眠から覚めた後は、気温の上昇とともに生長し開花しますが、気温が高いほど花芽の生長が早く進み、開花が早まると考えられています。
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】2020年桜開花予想(第3回)_