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日本気象協会、「ダムの事前放流判断支援サービス」を運用開始 ~千葉県の2つのダムにて導入。AIを用いた降雨予測手法を特許出願開始~
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一般財団法人 日本気象協会(東京都豊島区、理事長:長田太、以下「日本気象協会」)は、2020年6月1日(月)から「ダムの事前放流判断支援サービス」(https://www.jwa.or.jp/news/2020/03/9451/)の運用を開始しています。同サービスは現在までに千葉県の亀山・片倉ダム管理事務所と高滝ダム管理事務所にて導入されており、事前放流の実施判断支援情報をWebとメール通知にて提供しています。

そして、日本気象協会はこのたび、同サービスにて利用している「AIを用いたアンサンブル降雨予測(注1)の“深層学習時空間ダウンスケーリング”(注2)手法」を特許出願しましたのでお知らせします。

■「AIを用いたアンサンブル降雨予測の時空間ダウンスケーリング手法」を特許出願

「ダムの事前放流判断支援サービス」には、日本気象協会が独自に開発した「JWAアンサンブル予測」を用いています。

「JWAアンサンブル予測」は、世界各国の気象機関が出す数値予測をもとに、独自の補正処理やAI技術(深層学習など)を利用した時空間ダウンスケーリングにより、最大15日先までの1時間雨量・5kmメッシュに高精度化した降雨予測データです。最大15日先までの予測情報であるため、雨が降り始めるまで十分な準備期間を確保し、余裕を持って事前放流の計画を立てることが可能となります。
日本気象協会は同サービスの核となる「AIを用いたアンサンブル降雨予測の“深層学習時空間ダウンスケーリング”手法」を2020年6月4日(木)に特許出願しました。

図1は、令和元年東日本台風(台風第19号)が上陸する約4日前(10月8日9時初期値)予測について、深層学習時空間ダウンスケーリング手法を適用したものです。従来までの5kmメッシュ・3時間雨量では表現することができなかった強い雨域の位置や時間変化を、深層学習時空間ダウンスケーリング手法を使用することにより予測可能となります。

図1: 深層学習時空間ダウンスケーリング手法の適用例
図1: 深層学習時空間ダウンスケーリング手法の適用例

深層学習時空間ダウンスケーリング手法を用いることで、多くの予測シナリオ(アンサンブル予測)に対して、短時間での時間的・空間的な高精度化が可能となります。

図2:令和元年東日本台風(台風第19号)における51通りの予測シナリオ
図2:令和元年東日本台風(台風第19号)における51通りの予測シナリオ

図2は、台風が上陸する約4日前における51通りの予測シナリオを示したものです。多くの予測シナリオで、関東付近に台風が上陸することを示唆しています。本情報を活用することで、早い段階から台風によりもたらされる総雨量を確率的に評価することが可能になります。
日本気象協会は、国立大学法人京都大学と共同研究「ECMWFアンサンブル予測雨量を用いたダム運用検討」に2017年から取り組んでおり、本サービスは共同研究の成果の一部を活用しています。また、日本気象協会は、国立大学法人京都大学と独立行政法人水資源機構の3者共同で、ダムの事前放流の高度化を図る検討を進めています。これは、「内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期 『国家レジリエンス(防災・減災)の強化』」の研究課題として行われています。「ダムの事前放流判断支援サービス」は、日本気象協会が得たこれらの研究成果を生かしたサービスです。今後も日本気象協会は企業活動や研究活動を通じて得た成果を、社会課題の解決に役立てていきます。

注1:「アンサンブル予測」とは、予測に伴う不確定さを考慮することで将来の予測を可能にするひとつの手法
注2:「ダウンスケーリング」とは、データの時間・空間分解能の詳細化のこと

・製品名、サービス名などは一般に各社の商標または登録商標です

<ご参考>
2019年8月30日発表
日本気象協会、AIにより 降雨予測の「時空間方向」へのダウンスケーリング手法を開発
~今後、ダムの効率的な運用や洪水予測の精度向上への活用を検討~
https://www.jwa.or.jp/news/2019/08/7901/

2020年3月6日発表
日本気象協会、「ダムの事前放流判断支援サービス」を開始
~「最大15日先」「解像度が高い」「精度が高い」予測の提供により浸水被害低減を目指す~
https://www.jwa.or.jp/news/2020/03/9451/

以上

PDFダウンロード:【日本気象協会からのお知らせ】ダム事前放流判断支援サービス 運用開始