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(防災レポートVol.8)台風第10号、猛烈に発達し九州に接近 暴風・高波・高潮に備えを
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日本気象協会は、台風第10号に伴う今後の暴風などの見通し(9月4日13時時点)に関する情報を、防災レポートとして発表します。

非常に強い台風第10号は、勢力を強めながら北西に進み、9月6日(日)から7日(月)にかけて九州に接近または、上陸する見込みです(図 1)。
九州地方では、台風に伴う暴風により、交通機関の寸断、物流ストップ、停電と、それらの被害影響の長期化の恐れがあります。
また、鹿児島湾、有明海、周防灘では、高波・高潮による浸水害への備えが必要です。

台風第10号は、6日9時に奄美群島近海で915hPa、最大風速55m/s(特別警報級)の勢力まで発達することが予想され観測史上最強クラスの勢力で九州へ接近、上陸する可能性があります。
台風進路の東側に入る九州地方では6日の午後から7日の日中にかけて暴風・高波・高潮の影響を受けることが予想されます。そこで、アンサンブル予測のシナリオの中で最悪の事例について暴風に加え、Vol.8では高波・高潮の見通しをまとめました。

図 1 今後の進路予想図(4日正午発表)
図 1 今後の進路予想図(4日正午発表)

日本気象協会が台風第10号の風速を予測した結果、九州地方では、台風のコースや発達度合いによっては、最大瞬間風速50~60m/sとなる可能性があることが分かりました。

図2 最大瞬間風速(m/s)の予測図
図2 最大瞬間風速(m/s)の予測図

■高波・高潮への備えを

台風第10号は特別警報級の勢力を保ったまま接近する見込みで、特に鹿児島湾、有明海、周防灘では、高波・高潮による浸水害への備えが必要です。
台風第10号が、予報円の東側を通った場合、過去に山口県沿岸に高潮被害※1をもたらした周防灘台風(1942年台風第16号)とほぼ同じコースをたどります。また、有明海(八代海)に高潮被害※をもたらした1999年台風第18号とも類似しています。今回の台風の勢力を考えると、満潮時と重なる等の条件が揃えば、その時に観測された最高潮位を上回る潮位に達する可能性があり、最大級の警戒が必要です。
高潮は台風接近時に「気圧低下による吸い上げ効果」、「強風による吹き寄せ効果」、「高波による水位上昇」により発生します。また、台風が過ぎ去ったあとにも、副振動※2による水位上昇に警戒が必要です。

図3 台風進路図(周防灘台風、1999年台風第18号)
図3 台風進路図(周防灘台風、1999年台風第18号)

暴風、大雨に対する備えは、防災レポートVol.7、防災レポートVol.6を参照して下さい。
https://www.jwa.or.jp/news/2020/09/10973/
https://www.jwa.or.jp/news/2020/09/10930/

事前の備えについて

台風は、事前の予報よりも早めに接近する場合や急に進路が変わる可能性があります。
事前準備・避難の際は、以下に注意して行動しましょう。
・給油や電源の確保、非常食の確保。
・ハザードマップなどによる周辺地域の危険箇所・避難場所を確認。
・最新の台風情報や避難情報のチェック。
・避難の際、ウィルス感染対策に配慮。

本情報は 2020 年9月 4 日 13時時点の予測資料から作成したものです。最新の気象情報は
日本気象協会の天気予報専門メディア「tenki.jp」http://www.tenki.jp/ でご確認ください。
※「tenki.jp」は、一般財団法人 日本気象協会の登録商標(登録第6129427号)です。

※1 九州・中国・四国地方の主な高潮災害
死者・行方不明者数、全壊・半壊戸数は、高潮以外によるものも一部含む
出典:「2003~2004海岸ハンドブック」(国土交通省河川局海岸室監修)等により作成

※1 九州・中国・四国地方の主な高潮災害

※2副振動
湾内で発生する特有の海面変動。過去には係留していた船舶の流失や低地での浸水被害が発生している。九州西岸では特に大きな副振動が発生しやすく、「あびき」とも呼ばれている。(参考:福岡管区気象台HP)

一般財団法人 日本気象協会
社会・防災事業部
防災マネジメント課
グループリーダー
技術士(総合技術監理部門、建設部門)、気象予報士
安部 智彦(あべ ともひこ)

名古屋大学土木工学科大学院(海岸海洋工学専攻)修士課程修了
ダム管理向けの降雨予測・流入量予測システム構築・運用、土砂災害向けの降雨解析業務等の防災関連業務を行っている。

以上

PDFダウンロード:【日本気象協会_防災レポートVol.8】台風第10号、猛烈に発達し九州に接近

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