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日射量レポート2025 気象衛星データでみる2025年の年間日射量 ~日射量は全国的に「例年並~やや多い」傾向~
2026.02.12
レポート
日本気象協会では、2015年から毎年、日本全国の年間日射量を地域別にまとめた「日射量レポート」を発表し、太陽光発電や農業分野などの事業者の皆さまに参考情報として活用いただいています。今年も、日本気象協会が独自で開発・運用している「気象衛星データを用いた日射量推定値(SOLASAT 9-Now:ソラサットナインナウ)」に基づき分析し、レポートを作成しました。「日射量」という視点から、2025年がどのような1年だったかを振り返ります。
◆日射量レポート2025のポイント
・2025年の日射量は、全国的に例年並からやや多く、夏を中心に多い傾向
・地域別では、近畿地方の日本海側や山陰、奄美で多く、北海道や東北地方の日本海側ではやや少ない傾向
・月別では、7月は日射量が多い一方、4月や10月は低気圧や前線の影響で少ない地域がみられた
1.2025年は記録的な暑さが続いた一年
日本気象協会は2025年12月、日本気象協会所属の気象予報士120名を対象とした調査をもとに「2025年 今年の天気を表す漢字」、「2025年 気象予報士が驚いた瞬間3選」を発表しています(図1)。「2025年 今年の天気を表す漢字」では、1位が「酷」、2位が「猛」となり、「2025年 気象予報士が驚いた瞬間3選」に「今年も異例の暑さ」が選ばれるなど、暑さに関する話題が目立つ一年でした。8月5日には群馬県伊勢崎市で41.8℃を記録し、過去最高気温を更新したことも広く注目されました。さらに、2025年は梅雨入り・梅雨明けともに全国的に早く、梅雨明け後は太平洋高気圧が本州付近へ張り出した影響で、長期間にわたり厳しい暑さが続く夏となりました。
図1 日本気象協会「2025年 今年の天気を表す漢字」、「2025年 気象予報士が驚いた瞬間3選」
(
https://www.jwa.or.jp/news/2025/12/30743/
)
(
https://www.jwa.or.jp/news/2025/12/30748/
)
2.2025年の日射量は全国的に例年並からやや多い傾向
図2は、気象衛星データを用いた日射量の推定値(SOLASAT 9-Now)から分析した「2025年の日射量」を例年※1と比較した図です。例年よりも日射量が多かった地点を暖色系(赤~黄)、少なかった地点を寒色系(水色~濃青)の色で示しています。
2025年の日射量は、全国的に「例年並」~「やや多い」傾向がみられました。北海道や東北日本海側の一部では「やや少ない」傾向となった一方、近畿地方の日本海側、山陰、奄美などの一部では「多い」傾向もみられました。
※1 例年の日射量:過去9年(2016~2024年)の年間日射量の平均値。

図2 2025年の日射量(例年比)
3.前年比では東日本・西日本で日射量が増加
図3は、2025年の日射量を前年(2024年)と比較した図です。前年よりも日射量が多かった地点を暖色系(赤~黄)、少なかった地点を寒色系(水色~濃青)の色で示しています。
2025年の日射量は、前年(2024年)と比較して、東日本、西日本の大部分で、「やや多い」傾向となりました。一方、北日本では「少ない」~「やや少ない」傾向となった地域もみられました。

図3 2025年の日射量(前年比)
4.地域別にみる2025年の日射量の特徴
表1に「2025年の日射量」の地域別の傾向をまとめました。表1は日照時間を観測しているアメダス約840地点※2での日射量の推定値を基に分析した結果です。表中のオレンジ色は例年※3または前年(2024年)の日射量と比べて「やや多い」「多い」地域、青色は「やや少ない」地域、白色は例年並(または前年並)を示しています。
※2 日照時間の推定値の地点を含む。
※3 例年の日射量:過去9年(2016~2024年)の年間日射量の平均値。
表1 2025年の日射量

2025年の日射量は、例年と比較して、全国的に「例年並」~「やや多い」傾向がみられました。特に、近畿地方日本海側、山陰、奄美地方では、「やや多い」~「多い」傾向となりました。その一方で、北海道日本海側、東北日本海側では「やや少ない」~「例年並」の傾向となりました。
また、前年と比較すると、2025年は北海道で「やや少ない」~「前年並」、その他の地域では、「やや多い」~「多い」地域が多くなりました。
5.2025年の日射量 月変化
全国の主要都市10地点を対象とした日射量の月変化(2025年、前年、例年)を図4に示します。例年と比べて特徴がみられた1月、4月、7月~8月、10月について、気象状況や日射量の特徴を振り返ります。
1月
冬型の気圧配置が長続きせず、低気圧の影響も受けにくかったことから、一部地域を除き、多照傾向でした。西日本太平洋側では、月間日照時間が1946年の統計開始以降で最も多くなりました。また、大阪では例年と比較して、月平均日射量が1.21倍となりました。
4月
低気圧が北日本を通過しやすく、北日本では曇りや雨の日が多くなりました。このため、例年と比較して、月平均日射量は、札幌で0.82倍、仙台で0.84倍となりました。
7月~8月
偏西風が例年より北に位置した影響で、太平洋高気圧の暖かい空気に覆われやすく、晴れて気温の高い日が多くなりました。7月の月平均気温は、沖縄奄美を除いて、1946年の統計開始以降1位の顕著な高温となりました。8月5日には、関東地方を中心に気温が上昇し、群馬県の伊勢崎で41.8℃を記録して日本国内の観測史上最高気温を更新するなど、14地点で40℃以上の最高気温が観測されました。梅雨明けが早く、晴れた日が多かったことから、7月の月平均日射量は本州・四国・九州を中心に多く、例年と比較して、仙台で1.32倍、東京、富山で1.30倍、広島で1.37倍、福岡で1.31倍となりました。
10月
低気圧や秋雨前線の影響により、東日本や西日本では、曇りや雨の日が多くなりました。このため、例年と比較して、月平均日射量は、東京で0.82倍、名古屋で0.80倍となりました。
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(a) 札幌
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(b) 仙台
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(c) 東京
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(d) 富山
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(e) 名古屋
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(f) 大阪
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(g) 広島
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(h) 高松
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(i) 福岡
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(j) 那覇
図4 主要都市における日射量の月変化(2025年・前年・例年)
6.日本気象協会の太陽光発電事業者向けサービスについて
本レポートでは、日本気象協会が独自に開発・運用している「ひまわり8・9号による水平解像度0.5kmメッシュの日射量推定サービス(SOLASAT 9-Now)」に基づき、2025年の日射量の例年比、前年比について分析を行いました。2025年の日射量データ以外にも、過去10年以上の特定の時刻の日射量データ(図5)や10年平均値などの統計データ(図6)についても整備しています。

図5 SOLASAT 9-Nowによる特定の時刻の日射量分布の例

図6 SOLASAT 9-Nowによる10年平均の日平均日射量の月平均値の例(左:1月、右:8月)
日本気象協会では、太陽光発電事業者向けサービスとして、ひまわり8・9号データによる日射量予測サービス(SOLASAT 9-Nowcast)、独自気象モデルによる日射量・太陽光発電出力予測サービス(SYNFOS-solar)なども展開しています。
これらの推定・予測情報は、日射量・太陽光発電出力の遠隔監視、故障診断(O&M事業)、発電計画の作成に加え、自家消費型太陽光発電設備へのPPAモデル導入検討や蓄電池の効率的な運用計画策定、大学や研究機関での研究など、太陽光発電事業に関わる幅広い分野で活用されています。
ひまわり8・9号による日射量推定サービスSOLASAT 9-Now
ひまわり8・9号による日射量予測サービスSOLASAT 9-Nowcast
※本レポートの年間日射量の比較に関する用語
かなり多い :例年(前年)の110%以上
多い :例年(前年)の106~110%
やや多い :例年(前年)の102~106%
並 :例年(前年)の98~102%
やや少ない :例年(前年)の94~98%
少ない :例年(前年)の90~94%
かなり少ない:例年(前年)の90%未満
<過去発表した「年間日射量」の傾向資料について>
2015年 ( 2016.2.29 https://www.jwa.or.jp/news/2016/02/4564/ )
2016年 ( 2017.1.19 https://www.jwa.or.jp/news/2017/01/4421/ )
2017年 ( 2018.1.31 https://www.jwa.or.jp/news/2018/01/4298/ )
2018年 ( 2019.1.31 https://www.jwa.or.jp/news/2019/01/4202/ )
2019年 ( 2020.3.11 https://www.jwa.or.jp/news/2020/03/9493/ )
2020年 ( 2021.4.14 https://www.jwa.or.jp/news/2021/04/12959/ )
2021年 ( 2022.4.07 https://www.jwa.or.jp/news/2022/04/16357/ )
2022年 ( 2023.4.14 https://www.jwa.or.jp/news/2023/04/20095/ )
2023年 ( 2024.4.23 https://www.jwa.or.jp/news/2024/04/22888/ )
2024年 ( 2025.2.03 https://www.jwa.or.jp/news/2025/02/25414/ )
![]() | 一般財団法人 日本気象協会 環境・エネルギー本部 エネルギー事業部 再生可能エネルギー事業課 グループリーダー 気象予報士 宇都宮 健志(うつのみや けんじ) 名古屋大学大学院工学研究科(社会基盤工学専攻) 修士課程修了 日射や太陽光関連のデータ解析、技術開発、コンサルタント業務に従事している。 |
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